訪問看護

訪問看護を人見知り・人間関係に疲れたナースにおすすめしたい理由

アラフィフ元ナースで、いまだに人見知りです。派遣看護師も経験しているので色んな仕事場で働いてきました。人間関係に不器用だったわたしが楽しかった職場をお話します。

この記事を読んで分かること

・訪問看護を人見知りナースにおすすめする理由
・訪問看護と病棟の違い
・訪問看護ステーションの種類・それぞれの特徴
・転職をする際、訪問看護ステーションのチェックしたい点


人見知り看護師に一度はトライしてもらいたい訪問看護

大学病院、個人病院なと臨床経験があります。検診センターや派遣で外来なども経験しています。看護師の仕事は好きだけど、とても疲れる・・・それって、看護師同士の関係に疲れてませんか?

これはわたしの感じ方なのですが、お話したいと思います。

病棟の人間関係で疲れた理由

  • 閉鎖的な気分になる
  • シーツ交換など他のスタッフへの声掛けタイミングで迷う
  • 合わないスタッフとの勤務が苦痛

閉鎖的な気分になる

病棟など院内って、やっぱり特殊な空間です。人の生死に関わる病棟。そんな中でずっと同じスタッフ達と業務にあたるわけです。

逃げ場もないですし。閉鎖的な気分になることがありました。

シーツ交換など他のスタッフへの声掛けタイミングで迷う

検査出しで患者さんをベットからストレッチャーに移したい、シーツ交換を手伝ってもらいたい、日々ありますね。でも忙しそうなスタッフに声を掛けるタイミングがつかめないって、ありませんか?

手が空いてるスタッフを探しにいっても、まあ手が空いてる人なんてそういないですよね。苦笑

諦めてシーツ交換など一人でやってしまったり。そのうちに見かけたスタッフが手伝ってくれる、みたいなこともありました。

合わないスタッフとの勤務が苦痛

どこの職場も避けられないのが、苦手なスタッフと勤務する時のストレス。会わないと思っても結局申し送りで会う。

合わないスタッフと上手く関われたらいう事ないですが、むずかしいですよね。

訪問看護の仕事は人見知りでも大丈夫

わたしが訪問看護を始めたきっかけは、子どもの送り迎えに合わせて勤務時間を変更できたからです。それまでは全く訪問看護をやろうなんて思ってもみませんでした。

でもけっきょく訪問看護、9年やりました。

訪問看護は職場は屋外という感じ

訪問は自転車でした。仕事のために久しぶりに乗った自転車がなんと楽しいこと!

病院の閉鎖的な空間は何処へやら。勤務時間に屋外に出られる、風だったり太陽の日差しだったりを感じられることがとても嬉しかったのです。

スタッフ同士のからみは最低限でもOK

朝は患者さんの状態や指示を確認したりと他のスタッフと話しますが、それが終わると一人です。直行がOKなところは朝の会話もなくていいですよね。お昼は事務所で食べたり、外で食べるスタッフもいます。わたしもお店で食べたり川っぺりで食べたりしました。

なので他のスタッフと会うのは基本的に朝と一日の終わりの2回でいいのです。直行直帰がOKなら自宅からそのまま訪問して、終わったらそのまま自宅へ、なんてことができます。

わたしが訪問がすごく楽に感じたのは、この部分も大きかったのかなと思います。

自転車こぎは運動とリフレッシュを兼ね備えている

それまでは運動をする機会もなく、運動不足でした。でも自転車をこいで、ほどよい運動ができます。勤務中に運動もできるなんて一石二鳥だと思っていました。そして運動って気分転換にもなりますよね。閉鎖的ではないのも手伝ってか、とてもリフレッシュするんです。

時間で外を飛びまわっているので、ネチネチする心境になりづらいのかなと思います。まあ、何か少しあったとしても外の空気を吸えるので気分転換はバッチリ。

そのせいなのかサッパリした性格の看護師が多かったです。サラッとしているというのでしょうか。看護師の職場にありがちなネチネチした雰囲気にならないのです。

訪問看護は1対1で関わる

訪問する時は1人ですが、患者さんも一人です。1対1ですね。中には話すのが苦手な患者さんもいますし、最初からはコミュニケーションが上手くいかないこともあります。でも、何度か訪問しているうちに、その患者さんの生活や生き方も見えてきます。看護師が人見知りであっても、その空間を感じることはできます。

「自分は人見知り」と思っている人は実は多い???

訪問の職場で雑談していたときのこと。「わたしは人見知り」と答えた看護師が半数以上いました。驚きました。

え?ウソでしょ?あなたは違うよねってツッコミをこころの中でしてました。笑

堂々と見える人も、新しい環境とか、初めての人に緊張するんですね。見かけの雰囲気ではわからないですね。

もしかしたら訪問看護が好きで続けている人は、スタッフ同士のストレスが少ないことも続けられる理由かもしれません。

訪問中に困ったときの電話相談

訪問は一人で行きますがやっぱりチームです。訪問中に困ったときは他のスタッフに電話で聞いています。でも電話する時には困っていることや指示が欲しいなど聞きたいことがハッキリしているので、人見知りは関係なく電話できるものです。

その場には自分しかいないので、自分が何とかしないといけない。人見知りと言ってられない状況なので電話する時は腹が座っていると思います。

訪問看護師同士のコミュニケーションは、患者さんが安全に過ごせるための情報共有や報告、相談がしっかりできていたら、あとはそんなに困ることはありません。

転職の際、訪問看護ステーションの選び方

訪問看護もいろんな職場があります。どこを選んだらいいのでしょうか。そもそも病院付属や単独のステーション、また規模の大きな所、小さな所がありますね。

  • 病院付属のステーション
  • 企業の大手ステーション
  • 小さな単独のステーション

病院付属の訪問看護ステーションの特徴

病院付属のステーションは、主にその病院の患者の利用が多くなります。入院日数が減ってきているので急性期を過ぎてすぐ退院することが多く、それを病院付属のステーションが支えるケースが多いでしょう。管や傷口の管理などが必要なケースも多く医療依存度の高い利用者が多い傾向になります。

病院付属の訪問看護ステーションのメリット

主治医の大半が付属病院医師なので指示が欲しい時や情報共有でのコンタクトが取りやすいです。また急変時など緊急入院の受け入れが自分の病院でできるので心強い部分です。

わたしが働いたステーションは病院付属ではなかったので、病態についてちょっと聞きたい、これまでの経過をもうちょっと詳しく聞きたい、という場合などに医師に気軽にコンタクトできずやりづらさを感じていました。情報として知りたいことは、外部の医師でも関係なく聞くことが大切なのですが、どうしても遠慮が入ってしまいます。そういう意味では医師が身近に感じられる病院付属のステーションは働きやすいと思います。

付属病院以外の患者の受け入れをしているステーションも多いので、それ以外の対応も必要ではあると思います。

経営母体が病院なので、訪問看護ステーション自体の経営はさほど心配しないで済むところもメリットです。

大手企業の訪問看護ステーションの特徴

全国展開している企業の訪問看護ステーションがあります。

利用する患者の疾患や重症度は、その企業や各々のステーションで変わってくるかと思います。リハビリに特化している、ターミナル、難病受け入れを積極的にしている、予防看護に力を入れている、など、その企業の打ち出しているカラーがあるので大変さは違います。看護マニュアルや研修制度が整っているので安心感があります。また記録のIT化が進んでいてipadやスマホ貸与などで情報の共有がしやすいです。

大手ステーションだと各ステーションへの転勤があったり、人員不足時にヘルプで知らないステーションへ行かされる場合があります。またそのステーションで看護師人数が違うのでアットホームだったり大人数でにぎやかなど、さまざまです。

大手企業の訪問看護ステーションのメリット

ネームバリューがあるのは大きいです。営業のときに覚えてもらえるし企業への信頼はステーションへの信頼にもなりやすいです。 また看護マニュアルや研修制度が整ってるので安心して働ける環境が整っているのは大きいですし、勤務時間内で研修を受けられたりするのもメリットでしょう。 また経営母体がしっかりしているのでステーションが閉鎖になりにくく、長期的な勤務が可能になります。

また違う場所への転勤は大変だという反面、人間関係がこじれにくく、風通しは良くなります。希望で移動できる可能性もあるので万が一、人間関係で困ったときも辞めずにすむでしょう。

小さな単独の訪問看護ステーションの特徴

個人が立ち上げるステーションがあります。職場のカラーや特徴はさまざまで、対応している疾患もさまざまですが、ステーションの雰囲気はアットホームなところが多いでしょう。

ターミナル、難病を積極的に受け入れしている、精神の受け入れをしている、小児に特化している、など独自のカラーを打ち出しているところが多いです。

アットホームな反面、大企業のような転勤がないため、その職場が合わない場合に逃げ場がなく感じる時もあるでしょう。スタッフが確保できない、利用者の確保ができないなどで閉鎖になる場合もあります。

小さな単独な訪問看護ステーションのメリット

アットホームで働きやすい職場にしようと努力をするのでステーションの雰囲気は良くなるでしょう。スタッフが定着しないとステーションの経営にも直結します。

また長期にわたって利用者と関係を築けるので信頼関係なども築いていきやすいでしょう。職場への愛着もわき、その職場が合う場合は職場を支えているというやりがいもあり、スタッフ同士のきずなも強くなります。

転職の際、訪問看護ステーションのチェックする点

これまでお伝えしたようにそのステーションの規模により職場の忙しさや特徴は変わります。またそれぞれに次のようなこともその職場で違いがあります。面接などで次の点を聞けるといいですね。

ステーションごとに違う箇所

  • オンコールの有無・頻度
  • 受け入れ疾患の特徴
  • ステーションの規模
  • 記録などの管理方法
  • 医材料の販売の有無

オンコールの有無・頻度

オンコールについてはこちらを参考にしてみてください。

受け入れ疾患の特徴

ステーションにより受け入れ疾患が違う場合があります。

ターミナルや難病を積極的に取り入れてるところ、リハビリやマッサージに特化している、予防に力を入れているなど、様々です。緩和ケアやターミナルをやりたい、小児をやりたい、などやりたいことが決まっているなら、確認してください。

訪問看護ステーションの規模

小さな所はアットホームになりやすいですが、働きやすいかどうかはその雰囲気が合う、合わないが大きいので、在籍しているスタッフに左右されます。働きやすいところはとても働きやすいでしょう。転勤などもある大きなステーションだと人間関係で大きくこじれにくいのですね。

ステーションの規模は利用者の人数にも関係してくるので、オンコールの頻度や受持ち人数が変わってきます。またスタッフが少ないと急な休みなどが取りづらくなります。

記録などの管理方法

病院でもIT化が進み、電子カルテが多いと思います。しかし小さな個人でやっている訪問看護ステーションなどはペーパー記録のところもあります。電子カルテは、写真など情報の共有が簡単により正確にできますが、ペーパー記録では情報を得るのに事務所に出向いたりなどの時間が必要になる場合もあります。

また毎月、主治医に報告書など出しますが、IT化が進んでいると提出物もパソコンでプリントアウトできます。その職場が電子カルテかペーパー記録かの違いで業務の中身も変わってきます。

医材料の販売の有無

処置に使う包帯やガーゼなど、医材料の管理もステーションで違います。医材料を持ってるステーションもありますが、医材料がないステーションもあります。

医材料がないステーションは、家族に購入を頼む、医師に処方してもらう、訪問前に購入して持っていくなどです。

わたしもドラッグストアに寄って固定テープを購入して持って行ったこともあります。

まとめ

訪問看護のステーションごとの違いについてお話してみました。人見知りはするけど患者さんと接するのが好きな人なら、訪問看護は向いているのではないかと思います。

訪問看護ってなかなか足を踏み入れにくい分野ですけど、わたしはやってみて良かったです。もしちょっと興味がわいたなら、職場選びの参考にしてもらえたら嬉しいです。